STORY
第13話
2002/11/08
13.AKT「白鳥の湖」 〜Schwanensee〜
あらすじ
 愛を語れば光の粒となって消えてしまうのがチュチュの運命…でも王子を助けるにはそうするしかない。
「どうしてこんな風に争わなくてはいけないの?」
 チュチュの問いにクレールが答える。
「王子が心を取り戻すということは、物語が再び動き出すという事…物語を動かしたのはあなたよ、チュチュ。」
 自信を失いかけるチュチュ。しかしふぁきあが言った。今はみゅうと自身が心を取り戻そうとしている。俺も同じだ。それを望んでいないのは、もうお前だけだ、と。
 クレールは表情を変えずに、王子を呼ぶ。ゆっくりと起きあがる王子の目は無理に心を抜かれたせいか、戻った他の心を閉ざしてしまい、虚ろな表情だ。
 もう他に選ぶ道は無い。チュチュが覚悟を決め、口を開こうとしたその瞬間、ふぁきあが待ったを掛ける。
「待て。鴉の言うことを真に受けるな。お前が消えたら、誰が心を戻すと言うんだ。運命など俺が変えてやる」
 湖が一面氷で覆われ、鴉の兵士がふぁきあに襲いかかるが、ふぁきあはひるまない。だがクレールは、氷を水に戻すとその水でふぁきあを宙高く打ち上げる。そこへ刃となった鴉の群れが襲い、ふぁきあは湖に沈んだ。血の色に染まる湖面。
 泣き崩れるチュチュ。だが、ふぁきあはぼろぼろになりながらもクレールと王子の立つ島にはい上がり、最後の力で王子の剣を折った。剣は2羽の白鳥となり空へ消えていった。
「もうかけらは砕けない…チュチュ…あとは王子の未来を」
 そう言い残し、湖に消えていったふぁきあ。命を賭け心のかけらを守ったふぁきあに、チュチュは必ず王子を助けると心の中で誓う。チュチュはそっとほほえむと、無言のまま踊り出す。愛の言葉を語る代わりに、踊りに託そうというのだ。それに気付いたクレールも対抗して踊り出す。
 「どちらの踊りが心のかけらを引きつけるかしら?」
 クレールはチュチュにささやく。あなたは所詮チュチュの力を借りているだけなのだと。その言葉にチュチュは動揺して上手く踊れない。王子の姿をした心のかけらは、クレールの手を取ってしまうが、チュチュはあきらめずにひとりでパ・ド・ドゥを踊り出す。あなたにここにいてほしい、私と一緒に踊ってほしい、と王子に語るように。愛を込めて…。
 すると、心を閉ざしたはずの王子の手が動き、チュチュを招いている。チュチュの踊りが、眠っていた王子の心を開放したのだ。チュチュは思わずみゅうとの胸に飛び込む。その様子を見ていたクレールは敗北を認め、消えていった。
 チュチュが王子に心のかけらを戻すと、辺りが真っ暗になり、周囲が崩れ始めた。暗闇に迷う二人を呼ぶ声が聞こえ、わずかな光が差し込む。その光の先にはたき火、そしてその脇に横たわるふぁきあがいた。誰がふぁきあを…?するとたき火の中に、エデルの姿が浮かぶ。3人を助けるために自分を犠牲にしたエデルのため、そしてこの幸せが永遠に続くようにと、チュチュと王子はいつまでも踊り続けた―――。
つれづれに
(執筆中)
スタッフデータ
脚本:池田眞美子/絵コンテ・演出:佐藤順一/作画監督:小林明美/美術監督:田尻健一